「宿題、まだ半分も終わってない…」
「毎日声をかけているのに、進んでいない…」
夏休みの宿題のことで、そんなお悩みはありませんか?
夏休みの宿題は、いつもの宿題とはまったく別のものだと考えています。量が多く、期限が遠く、種類もバラバラ。実は、大人でも計画を立てるのが難しい課題です。

夏休みの宿題が進まないのは、やる気の問題ではありません。今回は、進みにくい理由と、ご家庭でできる進め方をお伝えします。
なぜ夏休みの宿題は進まないのか?
① 終わりが見えない
普段の宿題は「今日のプリント1枚」と、やることがはっきりしています。でも夏休みの宿題は、ドリル・プリント・日記・自由研究…と一度に手渡されます。
全体でどれくらいあるのかが把握できないまま始まるため、「まだこんなにある」という気持ちだけが残ってしまいます。
② 期限が遠すぎる
「8月末まで」と言われても、40日後というのは、お子さまにとってほとんど「ない」のと同じです。特に時間の見通しを持つことが苦手なお子さまにとって、遠い期限は行動のきっかけになりません。
「まだ大丈夫」が続いて、気づいたら8月下旬——ということが起こります。
③ 種類がバラバラで、性質がちがう
夏休みの宿題には、まったく性質のちがうものが混ざっています。
- 毎日少しずつやるもの(日記・観察・音読)
- まとめてやれるもの(ドリル・プリント)
- 大人の手が必要なもの(自由研究・読書感想文・工作)
これを同じ「宿題」としてまとめて考えると、どこから手をつけていいか分からなくなります。
④ 「自分で計画を立てなさい」が難しい
学校では「計画を立てましょう」と言われます。けれども、計画を立てるというのは、かなり高度な力です。
- 全体の量をつかむ
- 一つひとつにかかる時間を見積もる
- 日数で割る
- 予定外のことを想定して余裕を持たせる
大人でも簡単ではありません。ここは大人が手伝っていい部分だと考えています。
進め方のコツ
① まず、全部を出して並べる
いちばん最初にしていただきたいのが、宿題を全部テーブルの上に出すことです。
- ドリルは何ページあるか
- プリントは何枚か
- 毎日やるものはどれか
- 提出物は何と何か
紙に書き出して、目に見える形にします。学校によっては一覧にしてくれているところもありますね。「思っていたより少なかった」ということも、よくあります。
量が分かると、終わりが見えます。ここがスタートです。
② 終わる日を決めてから、1日の量を出す
計画を立てるときは、順番が大切です。先に「1日3ページ」と決めてしまうと、その量が多いのか少ないのか分からないまま進むことになります。そうではなく、次の順番で考えてみてください。
〈1〉終わる日を決める
おすすめは、夏休みが終わる1週間前です。最後の1週間を予備の期間にしておくと、体調を崩した日や、出かけた日があっても間に合います。
〈2〉日数で割って、1日の量を出す
たとえばドリルが60ページ、使える日数が30日なら、1日2ページです。こうして出した数字は、「終わりから逆算した、根拠のある量」になります。
〈3〉少なめに設定する
ここが大切なところです。割り算で出た量を、そのまま予定にしないでください。7割から8割くらいに減らして設定します。1日2ページと出たなら、予定は1日1ページ半、あるいは「平日1ページ、休日3ページ」でも構いません。
予定より少し進んでいる——この状態を保てると、お子さまも保護者の方も気持ちが楽になります。
〈4〉「やらない日」を先に決めておく
週に1日は、宿題をしない日をつくってください。旅行や帰省、体調を崩す日は必ずあります。最初から休みの日を組み込んでおくと、できなかった日があっても「計画どおり」になります。
計画が崩れる原因のほとんどは、予定を詰めすぎていることです。
③ 種類ごとに分ける
出した宿題を、3つに分けます。
| タイプ | 例 | いつやるか | ポイント |
|---|---|---|---|
| 毎日コツコツ型 | 日記・観察・音読・計算カード | 毎日決まった時間に | 忘れやすいので朝のうちに |
| まとめて型 | ドリル・プリント | 夏休みの前半に集中 | すらすらできるものから |
| 大人の手が必要 | 自由研究・読書感想文・工作 | 日を決めて確保 | 後回しにすると苦しくなる |
分けるだけで、ずいぶん見通しが立ちやすくなります。
④ 大人の手が必要なものを、先に日付で押さえる
自由研究や読書感想文は、お子さま一人では進みません。材料を買いに行く、図書館に行く、実験に付き添う——どうしても大人の時間が必要です。
だからこそ、カレンダーに先に日付を書き込んでください。「今度の日曜日に、自由研究の材料を買いに行く」「来週の土曜日に、実験をする」このように予定として確保しておくと、後半に慌てずに済みます。
⑤ すらすらできるものから始める
計算ドリルと漢字ドリル、どちらが得意でしょうか。得意な方から始めてください。
苦手なものから片づけようとすると、最初の一歩が重くなり、そこで止まってしまいます。すらすらできるものを進めていくと、手が動いている状態ができます。その勢いのまま、苦手なものにも向かいやすくなります。
▶ 関連記事:「すらすらできる」から始めたことで大きく変わった子の話
⑥ 終わったところを「消していく」
進んでいる実感が持てないと、やる気は続きません。
- 終わったページに線を引く
- 表にシールを貼る
- リストから消していく
減っていくのが目に見えると、続けやすくなります。宿題は「あとどれだけあるか」より、「もうこれだけやった」が見える形の方が、気持ちが続きます。
保護者の方に、お伝えしたいこと
計画を立てるのは、大人が手伝っていい
「自分で計画を立てさせないと」と思われるかもしれません。けれども、計画づくりは高度な力です。いきなり一人でできる方が少数だと思っていただいて大丈夫です。
一緒に立てる——これで十分です。何年か一緒にやっていくうちに、少しずつ自分でできるようになっていきます。
代わりにやらない、でも一緒にやるのはいい
答えを教えたり、代わりに書いたりする必要はありません。でも、
- となりに座っている
- 分からないところを一緒に読む
- 材料を用意する
こうした関わりは、手伝いすぎではありません。一人でやるのがつらいお子さまにとって、「となりに人がいる」ことは大きな支えになります。
終わらなくても、失敗ではありません
どんなに工夫をしても、終わらないことはあります。そのときは、学校に相談してください。
- 提出を待ってもらう
- 量を調整してもらう
- 優先するものを教えてもらう
こうした相談は、決して特別なことではありません。宿題を全部やりきることより、2学期を気持ちよく始められることの方が大切です。
最後に
夏休みの宿題が進まないのは、お子さまのやる気の問題ではありません。量が多く、期限が遠く、種類もバラバラ——構造として難しい課題だからです。
だからこそ、
- 全部出して、量を見えるようにする
- 終わる日を決めて、そこから1日の量を出す
- その量を少なめに設定する
- 種類ごとに分ける
- 大人の手が要るものは、先に日付を押さえる
この最初の準備さえできれば、あとはずいぶん進みやすくなります。そして、この準備は大人が手伝っていい部分です。どうか一人で抱え込まず、そしてお子さまにも一人で抱えさせず、一緒に進めていただけたらと思います🍀

「うちの子の場合はどうしたらいいんだろう」——そんな時は、お気軽にご相談ください。お子さまの様子をうかがいながら、一緒に考えます🍀
関連記事
合わせてこちらの記事もぜひご覧ください。
- 夏休みの過ごし方|生活リズムを整えるコツと無理のない一日の流れ
- 読書感想文が書けない|「何を書けばいいかわからない」への手立て
- 自由研究、何をやる?|学年別・1日で終わるアイデアとテーマの決め方
- 宿題が進まない時の関わり方|家庭でできる5つの工夫
- 宿題に時間がかかる・勉強が進まない|その背景と家庭でできる関わり方
参考サイト
お子さまのことで気になることがあれば
「うちの子も当てはまるかも…」と感じたら、まずはこちらのチェックリストをご覧ください。
「話を聞いてほしい」「どう関わればいいか分からない」という時は、お問い合わせ・ご相談からお気軽にご連絡ください🍀
現在、長野市で学習支援に力を入れた放課後等デイサービスの開設準備を進めています。

