気持ちのコントロールが難しいお子さまに悩む保護者の方へ
気持ちのコントロールが難しく、
突然怒ったり、泣いたり、感情が大きく揺れるお子様を前に、
「どうして急に?」
「さっきまで普通だったのに…」
と、戸惑いや不安を感じたことはありませんか。
周囲から
「しつけの問題では?」
「甘やかしているのでは?」
と言われ、頭では違うと分かっていても、心が苦しくなることもあると思います。

気持ちのコントロールが難しいお子様の行動は、決してわがままや、育て方だけが原因ではありません。
その行動の裏には、
言葉にできない困りごとや不安、助けを求めるサインが隠れていることが多いのです。
このブログでは、放課後等デイサービスの現場で多くのお子様と関わってきた経験をもとに、
- なぜ気持ちが高ぶる行動が起きるのか
- 家庭でできる具体的な対応と声掛け
- 放課後等デイサービスでの実際の関わり
についてお伝えします。
完璧な対応を目指す必要はなく、少し視点を変えるだけで、親子の関わりが楽になることもあります。
同じように悩んでいる方が、少しでも安心できる時間につながれば幸いです。
よくある保護者のご相談
放課後等デイサービスの現場、保護者の方との会話で、次のようなご相談をよく耳にします。
- 些細なことで気持ちが一気に高ぶってしまう
- 注意すると、さらに強く反発してしまう
- 落ち着くまでに時間がかかり、どう関わればいいかわからない
- 兄弟姉妹との関係がうまくいかない
- 外では頑張っている分、家で荒れてしまう

こうした悩みは、決して特別なものではありません。
多くのご家庭が、同じように戸惑いながら日々を過ごされています。
なぜ気持ちのコントロールが難しくなるの?
気持ちのコントロールが難しいお子様には、次のような背景が重なっていることがあります。
- 自分の気持ちを言葉にする力がまだ育っていない
- 不安や緊張を感じやすい
- 見通しが立たない状況が苦手
- 感覚が敏感で疲れやすい
- 我慢や切り替えに多くのエネルギーを使っている
大人にとっては小さな出来事でも、お子様にとっては心がいっぱいになってしまう出来事であることも少なくありません。
行動だけを見ると
「どう対応すればいいか悩む行動」
に見えてしまいますが、実際には
「どうしていいかわからない」「もう限界」
という状態であることが多いのです。
気持ちのコントロールが難しいお子様への対応で大切なのは、安全と安心を守ることです。
放課後等デイサービスの現場でも、次の3つを基本として関わっています。

① 安全の確保を最優先に
癇癪(かんしゃく)や強い興奮が起きたときは、理由を聞いたり、正そうとする前に安全を守ります。
- 周囲に危険な物がないか確認する
- 兄弟姉妹と距離をとる
- 大人が落ち着いた態度でそばにいる
無理に話をさせる必要はありません。「ここにいて大丈夫だよ」という感覚が、安心につながります。

② 癇癪が起きている間は、落ち着くまで待つ
気持ちが高ぶっている最中は、説明や注意の言葉はほとんど届きません。
この時間は
「今は待つ時間」
と考え、言葉を最小限にしながら、落ち着くまで支えます。

③ 落ち着いたことを、必ずほめる・認める
落ち着いてきたら、その「落ち着けたこと」自体を認めてあげましょう。
- 「落ち着こうとしていたね」
- 「ちゃんと戻れたね」
癇癪を起こさなかったことではなく、気持ちを立て直した過程を認めることが大切です。
放課後等デイサービスでの実際の関わり事例
事例① 思い通りにならず、強い癇癪が起きた場面
活動(施設内でのゲーム)中、順番が回ってこなかったことで気持ちが高ぶったお子様に対する対応:
① 周囲のお子様と距離をとり、安全を確保
② 無理に話さず、落ち着くまで静かに見守る
③ 落ち着いた後に
「自分で落ち着こうとしていたね」
と伝えました。
その後、活動に戻るかどうかは本人に選んでもらいました。
事例② 注意すると反発してしまうお子様
施設内のルールを伝えた際に反発が強く出た場面でのお子さまに対する対応:
① 物から距離をとり安全を確保
② その場では正しさを伝えない
③ 落ち着いてから
「物に当たらずに止まれたね」と、できた部分を認めました。
事例③ 家では荒れてしまうお子様
外で頑張っている分、気持ちが崩れやすいお子様には、
- 到着後すぐに活動に入らない
- 静かな遊びから始める
- 疲れる前に休憩を入れる

など、**「頑張らなくていい時間」**を大切にしています。
家庭でできる声かけの工夫(具体例)
① 気持ちを代弁する
「悔しかったんだね」
「びっくりしたよね」
② 落ち着いてから伝える
「さっきはどんな気持ちだった?」
③ 小さな「できた」を伝える
「ここ、頑張ってたね」

そして同時に、保護者ご自身の頑張りも認めてあげてください。
起きてからより「起きる前」の工夫も大切
- 予定を事前に伝える
- 見通しを持てるようにする
- 疲れる前に休憩を入れる

日々の小さな積み重ねが、安心感につながります。
最後に…

ひとりで抱え込まないで
気持ちのコントロールが難しいお子様と向き合う毎日は、
保護者の方にとっても大きなエネルギーが必要です。
うまくいかない日があっても、それは失敗ではありません。
悩みながら向き合っていること自体が、十分に大切な関わりです。
放課後等デイサービスは、お子様だけでなく、保護者の悩みにも寄り添い、一緒に考える場所です。
どうか、ひとりで抱え込まず、支援につながる選択肢があることを忘れないでください。
このブログが、少しでも心を軽くするきっかけになれば幸いです。
